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GESTIONE / 経営 2026.06.21 記録:協会事務局

カルボナーラの原価構造 — チーズ15gの現実

カルボナーラは原価の読みやすい料理です。ただしチーズだけは別で、設計段階の見積もりと実際の仕入れ値が離れやすい。開業を検討している方に向けて、確認できた価格を並べます。

カルボナーラの原価は、卵・チーズ・豚肉加工品・パスタの4点でほぼ決まります。このうち卵とパスタは相場が読みやすく、豚肉加工品も業務用の流通が安定しています。問題はチーズです。

1皿に何グラム使うか

本協会が把握している専門店の使用量は、1皿あたり15gから25gの範囲に収まります。乳化のためにはある程度の量が必要で、減らすと味だけでなく、ソースの状態そのものが不安定になります。原価調整の余地が小さい材料だと考えたほうが安全です。

小売価格の実測

2026年時点で確認できた小売価格です。いずれも100gあたりに換算しています。

チーズ小売価格15g換算
ペコリーノ・ロマーノ約480円約72円
パルミジャーノ・レッジャーノ約605円約91円
グラナ・パダーノ約399円約60円

業務用の卸価格は小売より下がりますが、下げ幅は種類によって異なります。ペコリーノで100gあたり400〜500円、パルミジャーノで500〜600円というのが、現在確認できている範囲です。輸入価格の変動を受けるため、年単位では動くものとして見込んでおく必要があります。

原価率への影響

販売価格1,000円の基本の1皿で試算すると、チーズだけで原価の6〜9%を占めます。他の材料を含めた原価率は22〜23%程度に着地します。飲食店の一般的な目安である30%以内には収まりますが、開業計画でチーズを1皿30円と見積もっていた場合、1皿あたり30〜60円の差が出ます。

月2,000皿を提供する規模であれば、月間で6万円から12万円の差です。損益分岐点の計算に影響する大きさなので、計画段階で実際の見積もりを取ることをおすすめします。

言えること、言えないこと

ここに挙げた価格は、特定の時点・特定の銘柄で確認したものです。仕入先や取引量によって変わりますし、為替の影響も受けます。数字そのものより、「チーズは原価調整の効かない材料で、設計値と実勢値が離れやすい」という構造のほうを持ち帰っていただければと思います。

本協会では原材料の価格調査を継続し、年次で報告する予定です。仕入れ実績の情報提供にご協力いただける方はご連絡ください。

NOTE / 注記・出典

  1. 小売価格は2026年時点で確認したもの。銘柄はいずれもZanetti。
  2. 業務卸価格は複数事業者からの聞き取りによる推定範囲であり、確定した取引価格ではありません。
  3. 使用量15gは本協会が把握している範囲の中央値付近を採用しています。

本記事について、追試の結果や訂正のご指摘を受け付けています。認定店からの記録提出も随時受け付けています。

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